第48回 火ぶせ石(2/2話)

しかしこの大きな火事で、町の人たちはとても困りました。368軒の家が焼け、大事なお米の入っている蔵も沢山焼けてしまったのです。 「町がほとんど焼けてしまった」 「ああ…火は消えたが、私たちの住む家はなくなってしまったよ」 「お米の蔵が全部焼けて、食べる米も大事な塩もなくなった」、 「こんなおそろしい火事は、もうこりごりだ」。 町の人たちはそう話をしていましたが、ある人が言いました。 「おーいみんな、この火の消えた一番最後の所に石があるぞ。これから火事が起きないように、この石をお祀りしたらどうだろう」 「そうだそうだ、石を祀ってお参りしよう」 こうして町の人たちは、こんなおそろしい火事が二度と起こらないように、この火事の消えた所にあった石を祀ることにしました。それ以来、町の人たちはこの石に花や水をあげてお参りしてきました。これが西町にある「火ぶせ石」です。 しかし200年経った昭和54年4月11日、また大きな火事が起こりました。 今度は、前と違う所が焼けましたが、なんと不思議…、その時の火事はこの「火ぶせ石」の所で消えたのです。 町の人たちはとても驚き、火を消してくださる神様の石として、神社を建てて今も大事にしてお参りを続けています。 ―おしまい―
※このお話は、福光地域公立保育園の保育士が制作した紙芝居より、一部加筆・修正の上、掲載しました。
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「そうだそうだ、石を祀ってお参りしよう」
「そうだそうだ、石を祀ってお参りしよう」
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