第51回 とーんびとんび まいまいしょ(1/2話)
「とーんびとんびまいまいしょ、祖谷のごぼ行ってまいまいしょ、嫁とってうっちゃげしょ」 南砺市祖谷の本敬寺(ほんきょうじ)に伝わるわらべうたです。 本敬寺には、古い阿弥陀如来の仏様がいらっしゃいます。檜で作られたその仏様は、聖徳太子がつくったともいわれています。 昔、飛騨の河合村(現在の岐阜県飛騨市河合町)を流れるおどり川(現在の小鳥川)上流の深い淵の底から、突然金色の光が辺り一面に放たれました。昼も夜も消えることなく輝くこの光を村の人たちは不思議がり、 「あんなにピカピカ光っとるんだから、きっと金が山のように隠してあるに違いない」 「何か怪しい物がおるかもしれんぞ。それにしてももったいないような光じゃのう」 などと口々に騒いでいました。 そこへ、どこからともなく旅のお坊さんがやってきて言いました。 「あなたたちは知らないだろうが、実はこの川の底には仏様が沈んでおられる。長い間、魚たちの苦しみを助けておられたが、今度は私たち人間を救おうと思われ、このように光を放っておられるのじゃ。だから、急いで仏様を川の底からお上げしてくだされ」 そう告げてお坊さんは去っていきました。 この話を聞いた村人たちは、びっくり仰天。早速、勘七という村人が、川に流されないように体を縄で縛り、思い切って深い淵に飛び込みました。 −つづく−
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きっと金が山のように隠してあるに違いない
きっと金が山のように隠してあるに違いない
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