第76回 力神様のいわれ(2/2話)
その頃、嘉例谷に住むある男の夢枕にその石仏が現れて、こう言いました。 「いろんな村から、わしを引き取ろうと競ってやってきているが、嘉例谷で安らかに暮らしたいのじゃ」 男は村人たちを集めて、この夢の話をしました。 そこで嘉例谷の人たちは、早速、村一番の力持ちの男を下山に向かわることにしました。男は軽々とその石仏を持ち上げることができました。傍で見ていた他の村の人たちは、「この石仏は嘉例谷に住みたいのじゃなあ」と諦めて、帰っていきました。 「これが、どの村の者も持ち上げられなかった石仏か。大切にせんなんなあ」 嘉例谷に持ち帰られた石仏は、力の神様「力神様」として崇められました。
現在、嘉例谷八幡宮境内の傍らに下山神社があります。鳥居の奥には御堂があり、その中に力神様が安置されており、村の人たちを優しく見守っておられます。なお各地で相撲大会が催される時、この力神様の前にて土俵入りして大会に臨めば、必ず良い成績を上げることができるとも伝えられています。 ―おしまい―
このお話は、小矢部市郷土愛護セミナー「ひまわりグループ」が手掛けた『ふるさとの民話〜小矢部〜』より、一部加筆・修正の上、掲載しました。
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必ず良い成績を上げることができるそうな。
必ず良い成績を上げることができるそうな。
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