第1回 竜宮淵の伝説(後篇)
その日から三日三晩、怪物は暴れ続けました。そこで村人たちは、この怪物を鎮めてもらうにはどうすればよいかを話し合いました。「そうだ、村の守り神である竜神様にお願しよう。」 「竜神様、竜神様、どうぞ村をお助けください。」「怪物が暴れて困っております。何とぞ怪物をやっつけて下さい。」村人たちは一生懸命にお願いしました。すると曇っていた空の一点が急に明るくなり、一筋の光が竜宮淵にさしました。その時、突然ゴォーと大きな音がしたかと思うと、その淵のまん中から竜が姿を現しました。竜は村人たちの願いを聞き届けてくれたのか、やさしくうなずいて空へ飛び立ちました。 ザァザァザァザァーン、ドドドドドーン、ピカリ、ドドーン 竜は火をふき、鋭いつめで何日も怪物と闘いました。崖の淵まで追いやられた怪物は、竜の最後の一撃で崖の下へ突き落とされました。 その後、田畑に溢れ出た水は引いて元通りになりました。村人たちは大変喜び、この竜神様を大切にお祀りしました。 今でも、子撫(こなで)川の上流にあるこの青くよどんだ淵に竜が住んでいると言われています。
−おしまい−
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紙芝居『竜宮淵の伝説』 作・ひまわりグループ
紙芝居『竜宮淵の伝説』 作・ひまわりグループ
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