第12回 おさるの顔はなぜ赤い(前篇)
昔、むかしのお話です。 越中と加賀の峠に三匹のいたずらざるが住んでいました。「キャッ、キャッ、キャッ。何かおもしろいことないかな」「木の上で昼寝でもするか」「そんなもんおもしろない。みんなで何かいたずらでもしようや」「そうしよう」さるたちが話をしていると最初に、荷を背負った男がやってきました。「あーあ、くたびれた。この峠でちょっと昼寝でもしよう」と言って寝転んでしまいました。すると、様子をうかがっていた三匹のいたずらざるが出てきて、男のむしろ(※1 )を取っていってしまいました。 次に栗を背負った男がやってきて、やっぱりくたびれた(※2 )ので寝転んでしまいました。するとまた、三匹のさるが出てきてこっそりと、かごの栗を食べてしまいました。 その次に荷車を引いた男がやってきたが、やっぱりくたびれて寝転んでしまいました。ところが、またもや三匹のさるが出てきて荷車ごと取っていってしまいました。
−つづく−
※1むしろ・・・わらや竹で編んだ敷物 ※2くたびれた・・・つかれた
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イラスト 作・ひまわりグループ
イラスト 作・ひまわりグループ
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