第26回 くわやまのおこり(1/2話)
南砺市の福光に伝わるおはなしです。 みなさんは桑山という山を知っていますか。ぐるぐる曲り道を登っていくと、120段登った所にお宮さんがあり、てっぺんからは砺波平野の家や木が小さく遠くまで見えます。 これはずっとずっと昔、この桑山がどうしてできたかというお話です。
ある時、立山の神様や白山の神様などたくさんの山の神様たちが集まって、自分たちの山のことを自慢し合いました。立山の神様が、「私の住んでいる山はとても高くて美しい山です。いろんな木がたくさんあります」と言うと、すかさず隣にいた白山の神様も、「いやいや、私の山はあなたの山よりも、もっと高いのですよ」と言います。 立山の神様は「遠くの家や海までも見えるのですよ」と言うと、白山の神様も負けずに、「空の世界に届くくらいです」と返し、そのうちに「白山が高い、立山が高い」とけんかになってしまいました。
それをきいていた他の神様は、「おいおい、二人ともけんかしないで、高さ比べをしてみてはどうだね」、「それがいい、高さ比べとは面白そうじゃ」と言い、白山の神様と立山の神様が高さ比べをすることになったのです。どちらの神様も絶対負けたくなかったので、鍬をもって、「よいしょ」と土や石を山の上に運び上げました。 その頃の神様方はとてもとても大きな体で、鍬もまたひどくでっかいのを使っていました。どちらの神様もどんどん、どんどん積み上げていきました。そして立山も白山も雲の上まで顔を出すくらい高く積み上げました。
―つづく―
|
|
/DBIMG/COLUMN/densetsu_65_1.jpg
「高さ比べとは面白そうじゃ」
「高さ比べとは面白そうじゃ」
|