第26回 くわやまのおこり(2/2話)
立 「ああ、とても疲れた。足がよろよろする。もう働けない。でも、もう少し頑張らないと白山の神様に負けてしまう。もうひと頑張りするとするか」 白 「向こうの山はいったいどれくらい積み上げたのかな…、どれどれ」、「やや…、立山はあんなに高いぞ。こうしてはおれん。ここで休んでいては大変だ。よいしょ、よいしょ。もう少し、もう少し」
白山の神様はあわててひとくわの土を積み上げようとしました。
白山の神様は頑張って「よいこらしょ」と運び上げましたが、途中でどうしても力が出ず、腰がよろついて、その土を落としてしまいました。
「ありゃ、ありゃりゃりゃりゃ…。これはしまった」、土はごろごろごろごろ山をころがって、「ドサーン」と川合田(かわいだ)という所に落ちてしまいました。 「た、たいへんだ。何かすごい音がしたぞ」、「な、なんだ、なんだ」、「何だこりゃ、いつのまにか、山ができているぞ」、「おーい皆の衆、山ができたぞー」。 近くの村人たちは、突然山ができたので大騒ぎです。
桑山は、昔々山の神さまの高さ比べをした時に、うっかり白山の神さまが落とした一鍬分の土でできた山なのです。
―おしまい―
|
|
/DBIMG/COLUMN/densetsu_66_1.jpg
「ありゃ、ありゃりゃりゃりゃ…」
「ありゃ、ありゃりゃりゃりゃ…」
|