第23回 大蛇におこった村(1/2話)
のどかなのどかな山里の村がありました。 昔々のこと、ここには大きな大きな池がありました。その水の色はどこまでも青く深く、満々と水を溜めていました。 子どもたちの楽しく遊ぶ声が聞こえてきそうなのですが、それが少しも聞こえないのです…。 実はこの池には秘密があるのです。
ある日のことです。一人のおばあさんが畑を耕していたら、なにか背中の方にぞっとするような気配を感じたので、後を振り向いたら大きな大きな蛇、そう大蛇がのっそりと姿を現すところでした。 目はぎらぎらと金色に輝き、その目はつやつやと黒光りをして、その舌は火がもえているようにチロチロと動いているではありませんか。 このおばあさんは少しも慌てず、 「ああ、あんたかいね。人に悪いことばっかりするのは。この村にはいらないのだから、どこかよその池に行ってもらいたいものだよ。どこか他に行かっしゃいや」と言ってやりました。しかし、どうしてなかなか、おばあさんの言うことなど聞くはずもありません。そこでおばあさんは、ある考えが浮かびました。 「ねえ、あんたは何にでもなれるという、すごい力を持っていると聞いているけれど、どうじゃ、小さくなれるもんかいね。なれんやろ」 と持ちかけてみました。
−つづく−
|
|
/DBIMG/COLUMN/densetsu_67_1.jpg
「あんたかいね。悪いことばっかりするのは」
「あんたかいね。悪いことばっかりするのは」
|