第23回 大蛇におこった村(2/2話)
「なにぃ、そんなもんすぐにでもなってやるわ」 と言ったかと思うと、すごい風が雲をまきおこしながら、おばあさんが「あれー」と思っている間に大蛇は豆つぶになってしまいました。
おばあさんはにっこり笑ったかと思うと、大蛇が元にもどらないうちに慌ててサッと大きな口をあけてモゴモゴキーと噛み潰して飲み込んでしまいました。
それからこの池は毎年毎年小さくなって埋まっていき、今のようにあたり一面田んぼになったそうです。 池の跡もなくなり、子どもたちの楽しく遊ぶ声が今にも聞こえてきそうです。
そして後になって、おばあさんの住んでいたところを蛇喰(じゃばみ)、池の水の流れ出るところを池尻(いけのしり)、水口(池の口)であったところが井口(いのくち)、大蛇のたたりを恐れて大蛇を祀った宮の後を宮後(みやのうしろ)、そのあたりの荒地を荒島、その水で田を作っていたところを池田、池田まで流れる川のあたりを川上中(かわかみなか)(その上にあたるところを堀越)、その周辺の広い野原を大野、野の低いところを久保(窪)といい、今の井口地区の地名となって残っているのだそうです。
―おしまい―
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「よし、食べてしまえ〜」
「よし、食べてしまえ〜」
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