第37回 池田のどべ(つぼ打ち) (2/2話)
仕事がひと段落すると、どべは地主の縁側に腰をかけ、障子を全部開け放し、 「暑い、暑い」 と大あぐらをかいて、ふところに風を入れて言いました。 ちょうど朝ごはんのお膳を運んできた地主は、その様子をみてびっくり仰天。 「おや、まあ!本当につぼ打ちをやっちまったのか」と思いながら、 「これはこれは、ご苦労さん。大変だったやろう。さあ、さあ、熱いごはんとお汁を召し上がれ」とすすめました。 どべは、そのお膳をちょっとのぞいて 「おやっさん、こんな暑い日に熱いものばかり食べられませんよ。今は真夏のまっさかりだから、なすの汁にきゅうりのあえものでも作ってくださらんか」 と注文しました。 寒い真夏の中で、地主の家の中は戸が開け放されて粉雪が舞い込んできています。さすがの地主もこれには、「参った、参った。堪忍してくれ」と、どべに頼んだとさ。
―おしまい―
このお話は、南砺市立井口中学校の「課題学習いのくち民話チーム」が制作した紙芝居より、一部加筆・修正の上、掲載しました。
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「暑い、暑い」と大あぐらをかいて、ふところに風を入れて…。
「暑い、暑い」と大あぐらをかいて、ふところに風を入れて…。
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