第41回 弁財天社のほこら 其の一(2/2話)
「これは不思議なことじゃ。神のご加護があったにちがいない」 利長公はこうおっしゃって、この島に水の神様である弁財天を祀るように命じられました。島は弁財天山と名付けられました。 この島は、向かいの壇(だん)の山から山つづきに庄川へ突き出た岩山でした。ところが、この洪水のために途中が崩れて、岩山だけが残され、出てきた島でした。この島のおかげで、今まで西の方へ幾筋にも分かれて流れていた庄川が、東の中田の方へと流れるようになりました。 島の南には龍が横たわっているような大岩があって、年老いた松も数本生い茂っています。ここに一つの祠(※1)が祀られています。これが弁財天社で、別の名を元雄神神社とよばれています。元雄神神社のいわれは、このときの洪水で押し流された山つづきの中ほどに雄神神社が祀られていた名残です。その後神社は東の山麓に建て替えられ、雄神神社となりました。 ―おしまい―
※1祠(ほこら)・・・神仏を祀る小さな殿舎
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弁財天社は、別の名を元雄神神社とよばれています。
弁財天社は、別の名を元雄神神社とよばれています。
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