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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2017年8月16日
第5回 福町の昔(後篇)

 明治三十六年十一月二十八日、お七夜(※4)荒れの晩、福町二丁目から火が出てまたたく間に川までの一五三軒が焼き尽くされてしもうた。
 小矢部川の橋のあたりは一番川幅が狭く、現在の河川公園の中ほどしかなく、毎年のように大水になった。
 昭和三十年頃、小矢部川の改修工事が始まり、川幅が広くなった。それから国道八号線が通り、新しく福町大橋も出来た。そこへ川の中にあった家が移転した。おかげで石動町の水害はなくなった。
 お諏訪さんの大杉のあったところには大きな相撲場があり、近郷近在より力自慢が集まり相撲大会がよく開かれ、賑やかしかった。
 その後、川の改修工事で川沿いにあった三本の大杉は切られたり枯れたりしたが、天狗の大杉の木の芯で観音様を作り、地蔵祭りでいっしょにお祀りしている。

福町の旧町名で
・社内といっている所は…福町神明宮が、もともとここに祀られていたのでこの名がついた。
・中島は…小矢部川が氾濫(はんらん)した時、中洲(なかす)になって残ったところから、この名が付いた。
・蔵前町は…加賀藩の御蔵(おくら)があったので、この名が付いた。
・川岸町は…新たに開けた土地で、小矢部川の岸にできたので、この名が付いた。

 福町の昔は、このように伝えられております。みなさんもお家の人や近所のお年寄りに、昔のお話を聞きましょう。

−おしまい−

※4お七夜…昔のえらいお坊さんが十一月二十八日に亡くなられた日で、前一週間を御七昼夜(おしちや)という。この頃、季節の変わり目でよく大荒(みぞれやあられまじりの強風)の日がある。


紙芝居『福町の昔』 作・ひまわりグループ


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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