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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2020年9月1日
第46回 おおいけのりゅうじょ(1/2話)

 江戸時代、金沢の堤町にある小松屋藤右衛門というお金持ちの呉服屋に、色白でかわいらしいお光という娘がおりました。
 ある日、お光は急に重い病気になりました。あちこちの医者に診てもらったり、いろいろな薬を飲ませたりしましたが、一向に良くなりません。
そんな時、お光の父は、医王山の大池の水を飲ませると、どんな重い病気も治るという話を聞きます。父はさっそく店の若い者に大池の水を汲みに行かせました。汲んできた水をお光に飲ませ、またこの水で風呂を沸かして入らせました。
「ああ、気持ちのいいお湯だこと、なんだか体が軽くなって、病気が治っていくようだわ」
 こうして毎日、風呂に入っているうちに、お光の病気はだんだん良くなっていきました。両親は、それはそれは喜びました。
「お光の病気が大池の水のおかげですっかり良くなった。有難い、有難い」
「さっそく大池までお礼に行かなくては」
するとお光は言いました。
「お父さん、お母さん、私もぜひ大池へ連れていってください」
しかし両親は、
「せっかく治ったというのに、無理をしてはいけない。医王山は、とても険しい山なのですよ」
と言いましたが、お光は、
「大丈夫です。大池の水のおかげでこんなに元気になったのですから。ぜひお礼に行かせてください」
と言いました。
−つづく−


「ああ、気持ちのいいお湯だこと」


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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