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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2020年10月1日
第47回 別所七山長者(1/2話)

 むかし、むかし。般若の里に、「別所の長者さん」と呼ばれる大変裕福な長者さんがいました。長者さんが住む七山や穴田は、たびたび庄川の氾濫に悩まされていました。
 長者さんには、美しい娘がいました。ある日、長者さんは、この娘の婿には、自分の跡継ぎにふさわしい立派な若者を迎えたいと、次のようなお触れを出しました。
「頼成の台地に水を引いて、荒れ地を切り拓き、田を作れる若者を娘の婿に迎える」
 お触れの噂を聞いて、いろいろな所から沢山の若者がやって来ましたが、長者さんの意に叶う者は現れませんでした。
 そんなある日、南の村から湖のように青い瞳の凛々しい若者がやって来ました。
「ここの台地に水を引けば、本当に私を婿にしてくれますか」
「よろしいとも。頼成の台地に水を引いて、田を作ることができたら、喜んで迎えよう」
 長者さんは固く約束しました。すると若者は青い目をいっそう輝かせ、「きっとですな」
と重ねて念を押しました。こうして若者は、ただ一人、頼成の台地へ上っていきました。
 さて、その夜のことです。
「ドドウ ドドドウ、ドドウ ドドドウ」
と、後の山を突き破るように鉄砲水が溢れ出して、頼成の台地に押し寄せてきました。−つづく−


「頼成の荒れ地に田を作れる若者を娘の婿に迎える」


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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