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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2020年11月1日
第48回 火ぶせ石(1/2話)

 みなさんは南砺市福光(西町)の中ほどにある火ぶせ石を見たことがありますか。石が3個積んであり、しめ縄がしてあります。
 今から二百年ほど前、新町のお寺(願全寺)の近くに宗左衛門という人が住んでいました。
 よく晴れたある日のお午時のこと、宗左衛門さんの家の前で、子どもたちが遊んでいました。
「あれー煙が出ているぞー」、「あっ、本当だ。火事じゃ、火事じゃぞー」
 子どもたちが煙を見つけ、すぐに近くにいる大人に報せました。
「大変だ!宗左衛門さんの家が火事だ」、「水だ、水をかけるんだ!」
 みんなで桶に水を汲み、宗左衛門さんの家に一生懸命水をかけましたが、とても強い風が吹いていて、隣の家や向かいの家にも火が飛んで、火事が広がっていきました。
 火消しの人たちは、力を合わせて火を消そうとしましたが、火はどんどん大きくなり、味噌屋町、本町、荒町を焼き、西町へも火が飛びました。
「おーい、こっちの家にも、水をかけるんだ」
 火消しの人たちは、燃えている家はもちろんのこと、燃えていない家にも水をかけ、燃えないように守りました。
「おーい見ろ、少しずつ火が弱くなっていくぞー」
「あっ、本当だ。みんなー火が弱くなっていくぞ、頑張って水をかけるんだ」
 なんと、あんなにすごかった火が少しずつ弱くなってきたのです。町の人たちは、もう一度みんなで力を合わせて火を消そうと頑張りました。そしてとうとう火を消すことができたのです。
−つづく−


「わぁー、わぁー、こわいよ、こわいよー、おかあちゃんー」


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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