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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2021年3月16日
第52回 五ヶの種もみ(2/2話)

 了恵は、種もみの重い袋を肩に担いで村々を周りました。村人たちは、少しずつ持ち寄った米と五ヶ種を取り替えてもらい、春を待ちました。
 五ヶ種から育った稲は不順な天候にも強く、よく育ちました。秋がきて、黄金色の稲穂は重く垂れ下がり、村人たちは、涙を流して喜びました。
「こんなうれしいことはない。了恵様と五ヶの種もみのおかげじゃ」
 こうして、長い間不作に苦しんだ村人たちに、明るさが戻ってきました。そして、五ヶ種の噂は人から人へ、村から村へ、遠く加賀や能登、越前、越後の国々まで伝わりました。
 明治の頃になると、五ヶ種を求めて遠くから「種かえさん」とよばれる人々が、五ヶ村を目指してやってくるようになりました。
 五ヶ村に伝わる古い民謡「五ヶの稲だねちょんがれ」に、その名残をしのぶことができます。
「娘出てみよ 嫁ごも見やれ せどの小路へ 加賀の人 さっき八人 今また九人 種替さんが来るわいな うちの茶の間に 火をたきやれ」
―おしまい―

このお話は、砺波市庄川町のボランティアグループが制作した紙芝居より、一部加筆・修正のうえ、掲載しました。


黄金色の稲穂が垂れ下がり、村人たちは大喜びしました。


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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