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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2021年9月1日
第58回 川ごえの蓮如様(1/2話)

 むかしむかし、蓮如上人というえらいお坊さんがおられました。上人は、あちこちの村に仏の教えを伝えながら旅をしておられました。
 ある時、才川の宗善寺というお寺にやってこられた上人は、そこに自分の姿を絵に描いて残しておこうと思われ、池の水に自分の姿を写して描かれました。
 村のみんなは、その絵を掛軸にして、朝夕一心に拝みました。
 あちこちに広まった上人の話は、やがて高岡城の殿様の耳にも入りました。
 殿様は、自分の城がいっそう栄えるように、守り神としてその掛軸が欲しくなり、お寺へお願いに来られました。
 寺や村の人たちは、仕方なく殿様に掛軸を渡すことにしました。掛軸をもらった殿様はたいそう喜び、家来と一緒に毎日お参りしていました。
 ある夜、眠っている殿様の夢に上人が現われ、こう告げられました。
「私はこの立派な高岡の城に連れられて来たが、村のことが気がかりじゃ。早く才川の寺に帰りたい」
 また同じ頃、宗善寺のお坊さんの夢の中にも上人が現われました。
「私は高岡の城にいるが、才川の村や寺のことが気掛かりじゃ。早く迎えに来てほしい」
 お坊さんは、
「夢のお告げじゃ。蓮如上人が待っておられる。早く、迎えに行こう」
と早速弟子と一緒に、高岡城へ掛軸をいただきに行きました。わけを話すと、殿様も同じ夢を見たと驚かれ、お坊さんに掛軸を渡されました。
−つづく−


「寺に帰りたい。迎えに来てほしい」


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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