トップ > よみもの > となみ野 むかしがたり

となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2021年10月1日
第59回 赤尾の道宗さん(1/2話)

 元日の朝、瑞泉寺へお参りに行くと、太鼓の音と鐘楼からの梵鐘の音が一緒に聞こえてきます。これは、「梵鐘と太鼓の同時打ち」といい、全国に類を見ない瑞泉寺特有の行事です。
 今から五百年ほど前、西赤尾で、自分の家を念仏道場にし、蓮如上人を師と仰ぐ道宗というお坊さんがいました。
 道宗は上平村に生まれ、父は平家の落人・角淵刑部左衛門といいました。幼名を弥七といい、四才で母を、十三才で父を亡くし、伯父の浄徳というお坊さんに育てられました。
 十八才になった弥七は両親に会いたくなり、九州の筑紫(今の福岡県)の「羅漢詣で」のために五箇山を出ました。越前で信州更科の僧侶に会い、九州へ行くより京都の本願寺に行くよう諭されました。本願寺では、ちょうど「報恩講」が行われており、弥七は三日三晩、寝食を忘れ、蓮如上人の説教に聞き入りました。それに気付かれた上人は、弥七と対面問答をし、師弟の縁を結びました。
 三八才の時に「道宗」という名前と阿弥陀仏をいただいて西赤尾に帰って道場を開き、村人に上人の教えを広く伝えました。道宗が四十八本の割木の上に寝て、いつも仏様の御恩を忘れないように、身体中アザだらけになって寝た話は有名ですが、ほかにも数多くの言い伝えがあります。道宗は上人が訪れた時、必ず瑞泉寺にお参りしたといいます。
 ある年の元旦、蓮如上人が瑞泉寺に滞在中の時のこと。尋ねたいことが沢山あった道宗は、どうしても元旦のお勤めにお参りせずにはいられませんでした。
「こんなひどい吹雪に出ていっては危のうございます」
妻の言葉も聞かずに、道宗は舞い狂う吹雪の暗闇の中を出掛けていきました。
−つづく−


「こんなにひどい吹雪に出ていっては・・・」


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
e-mail info@e-tonamino.com
URL

Copyright (c) Tonami Satellite Television Network All rights reserved.