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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2013年6月1日
第62回 南蟹谷のおこり(1/2話)

 福光から金沢へ行く途中に、南蟹谷という地区があります。
 今から八五〇年ほど前のお話です。
 北の方の、山の中にある地区に、蟹池という大きな大きな池がありました。小さい木や大きい木がたくさん茂り、昼も夜のように暗いところで、池は水が青黒く光ってぞっとする、ものすごい怖い所でした。その池に沢蟹がたくさんすみついていました。
「おーい、まだ次郎平さんがいなくなったぞ。蟹の池の近くだそうだ」
「あー、こわいこっちゃ。あの池には、きっと化け物がおるんじゃ」
 この大池の近くへ行った人は、誰一人帰ってこなかったそうです。村人たちは、池に近寄ってはいけないと、とても怖がっていました。
「池の化け物をやっつけるには、どうしたものかのう」
 村人は、お坊さんに頼みに行くことにしました。
「村の大池に化け物がいて、たくさんの人を呑み込んでしまうのです。どうすればよいでしょうか」
「どうすればよいかわからないが、その池へ行ってみましょう」
 お坊さんは村人に頼まれて大池の傍へ行きました。何日か過ごしたある日、大池に大きい風が巻き起こり、水が渦巻いたかと思うと、池から化け物が空へ向かって現われ、大声で怒鳴りました。
「おまえは誰だ。おれ様が誰かわかるか。これから私が問うことに答えてみよ。大きな足二つ、小さい足八つ、二つの目は空をにらんで横に走るものはなんぞ」
−つづく−


「おーい、次郎平さんがいなくなったぞ」


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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