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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2013年9月1日
第65回 女郎滝(1/2話)

 昔、宮島の久利須に、炭焼きをして暮らしを立てている親子が住んでいました。炭焼き窯は、村から一時間ほどかかる所にありましたが、親子は毎日楽しそうに話をしながら通っていました。
 ある日、親子は朝の暗いうちに家を出ました。ちょうど炭焼き釜までの道程の半分くらいまで来た時、ようやく夜が明け始めました。辺りは谷川のせせらぎや蛙の鳴き声が聞こえるような、とてものどかな景色が広がっていましたが、少し神秘的な雰囲気のある場所でもありました。
谷川に沿ってしばらく行くと、突然世にも類まれなる若くて美しい女が近づいてきました。親子は、「このあたりでは見かけない女だな」と思い、お互い顔を見合わせました。そして女は二人に尋ねました。
「もし、ちょっとお聞きしますが、このあたりに滝はありませんか」
「うん、おらっちゃの炭焼きしとる近くに、三十メートルほどの滝があるちゃ」
親子は慌てて答えました。すると女は、
「それでは、そこへ案内してくださいませんか」
と申し訳なさそうに頼みました。
親子は、「おかしなことを言う人だな」と思いましたが、案内を引き受け、その滝に向かって道を急ぎました。
 目の前に滝らしいものが見えてきました。滝の水は朝もやの中に水しぶきを上げながら、滝壺目がけて落下していました。滝壺の辺りは青くよどみ、肌寒いくらいでした。
−つづく−


「おかしなことを言う人だな」


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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