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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2014年1月16日
第69回 大ねずみ退治(2/2話)

 伊兵衛は少しも慌てることなく、「えい!」と、とっさに怪物の首筋あたりをひっつかんで二度・三度と地面に投げつけました。一方怪物もひるまず、伊兵衛に噛みつこうと飛びかかってきたので今度は蹴っとばすと、素早く肩、背中、胸のあたりに噛みついてきました。
 伊兵衛は、「痛たたたー。なにくそー」と、怒りに燃えて首筋をわしづかみにして振り回しました。そして、ありったけの力で締め上げました。
「どうだ、まいったか」
 さすがの怪物の伊兵衛のガン力には勝てずに死んでしまいました。
 ところが不思議なことに伊兵衛の懐の猫も死んでいました。
「これはどうしたことじゃー」
 伊兵衛は退治した怪物を村に持ち帰り、村人に見せました。村人たちは「わあー、なんと大きなねずみじゃー」と驚きの声をあげました。顔が十二〜十三センチ、身の丈四十五〜四十六センチ、首にかけて七十センチあまり、しっぽは実に六十センチは楽にある、「これがねずみか」と疑いたくなるような奴でした。
 その後、この村の猫たちは被害に遭わなくなったということです。
―おしまい―

※このお話は、小矢部市郷土愛護セミナー「ひまわりグループ」が手掛けた『ふるさとの民話〜小矢部〜』より、一部加筆・修正のうえ、掲載しました。


伊兵衛の膝あたりに飛びついてきました。


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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