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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2014年2月1日
第70回 てんぐのこしかけ木(1/2話)

 むかし、金屋の小川原に長ぞうという木こりがいました。長ぞうは父の長べえに似て、木を切るのが大変得意でした。
 ある日、長べえは長ぞうに山仕事の守りごとを言い聞かせました。

@山小屋で寝る時は、枕元にお守りの掛け木をかけ、朝晩には一日の無事をお祈りする。
A炊いたばかりの初ご飯を鍋の蓋にのせて、みんなが食べ終わるまで棚の上に供え、山の神に安全をお祈りする。
B毎月十五日は山の仕事を休んで、五平餅かぼた餅を供える。
C山へ入る時は、山の霧を晴らすために梅干しを食べる。
D朝ごはんに汁をかける「ぶっかけめし」は食べてはならない。

 しばらくして、長べえはもう一つ大事なことがあると語りました。
「天狗さんのねまり木をやたら切ったら、たたりがあるという。もしどうしても切らんならんええ木なら、お神酒をあげてお祓いせにゃあかんぞ。木口のそげは夜さる天狗さんがお通りになる時につまづいたり、顔を突いたりすりゃあかんから、ええがに切りとるのじゃよ」
 ある年の四月の終わり頃、奥山の雪どけを待って、長べえは長ぞうや仲間を連れて金屋を出ました。しかし長べえは村を出ないうちに具合が悪くなり、仕方なく家へ帰りました。長ぞうは父の代わりに小頭となって、越中と飛騨の国境に近い桂村の山奥に入りました。
−つづく−


「山仕事にゃ、守らんにゃあかんことがいっぱいあってな」


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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