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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2014年4月1日
第72回 石動の花山車のいわれ(1/2話)

 今から二七〇年ほど前のことであろうか。
 白馬山愛宕神社の森には、天狗様が住んでおられるような大きな杉が何本もあって、昼間でもとても薄暗い所でした。その森に、一本の古い大きな藤の木がありました。
 ある日、町の人たちが用事でこの森を通った時のことです。どこからか、かすかに声が聞こえてきました。
「何か声がするぞ。謡みたいやな」
「こんな森の中に誰かいらっしゃるがやろか」
 恐る恐る、声のする方へ近寄ってみました。
「あれ、誰もおらんぞ。変やな」
「あの藤の木に何かかかっとるぞ」
町の人たちは、その木の傍らに行ってみました。
「これ、お面みたいやなあー。鼓と笛もあるぞ」
「こんな大事なもん、なんでこんな所にあるがやろ」
 不思議に思った町の人たちはこれらを町に持ち帰り、宝物として大事にしまっておくことにしました。しかし手許に置くことが何やら気掛かりで仕方なくなり、「いっそのこと、前田の殿様に献上してはどうだろう」と話がまとまりました。そして翁の面と鼓と笛を、殿様に差し上げに行きました。

−つづく−


「お面みたいやなあー。鼓と笛もあるぞ」


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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