トップ > よみもの > となみ野 むかしがたり

となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2014年6月15日
第74回 弘法さまにもろた水(2/2話)

 次の年、ひどい日照りが続き、谷の水が涸れるかもしれないと思ったおばあさんは、背戸の谷へ行ってみました。すると、お坊様が杖で筋をつけていかれたところから、ぼこぼこと湧くように水が流れていました。以来、どんな日照りになっても、水が涸れることはなかったそうです。
 お坊様が目を切っていかれた石臼は、新しい鑿の跡のおかげで、いつでも豆や稗のよい粉を挽くことができました。
 お坊様はおばあさんの家へ来る前に下の衆の家へ行きましたが、そこでは家の中へ入れず、水もあげなかったそうです。それからというもの、夏の日照りになるとその家へは水が一滴も来なくなり、本当に困ったということです。
 あの粗末な格好をしたお坊様は、実は弘法大師という偉い方でした。
 おばあさんは、「あんな味ない稗団子を文句も言わずにあがらっしゃった。おっちゃの飲み水は弘法さまにもろた有難い水ながいぞ」と手を合わせて感謝しました。
 そして、石臼を柿渋を塗った紙にくるんで蔵へ入れ、家宝として大切にしました。
 今でも、二ツ屋には冷たい水がとうとうと流れ出て、大滝といわれています。
―おしまい―

このお話は、砺波市庄川町のボランティアグループが制作した紙芝居より、一部加筆・修正のうえ、掲載しました。


「弘法さまにもろたありがたい水ながいぞ」


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
e-mail info@e-tonamino.com
URL

Copyright (c) Tonami Satellite Television Network All rights reserved.