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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2014年9月16日
第77回 きんのわさび(2/2話)

 小塚様は、家来と一緒に風呂敷いっぱいにわさびを採って担いで帰りました。宿についた頃、あたりはすっかり暗くなっていました。
 部屋で風呂敷を広げてわさびを数えてみると、途中で落としてきたのか、あんなにたくさん取って来たわさびが、たった三本しか残っていません。その三本のわさびを手に取って行灯のあかりでよく見ると、それはとても見事な金のわさびでした。
「これはすごいぞ。金のわさびだ」
「こんなわさびは今まで見たことがないですね」
 小塚様も家来もびっくりし、さっそく珍しい宝物をお殿様に見せるために、金沢のお城へと急ぎました。
 城に着いた小塚様は、三本の金のわさびをお殿様に差し出しました。
「殿様、福光の医王山で、こんな珍しい金のわさびを見つけてまいりました」
「これは珍しいわさびじゃ。小塚、よく見つけたな」
金のわさびを見たお殿様は大変喜ばれました。
そして、まだ金のわさびがないかと、祖谷の村の役人たちに山を探させました。けれどもどこをどう探しても、金のわさびの出る所は分からなかったということです。
 これは枝状金(しじょうきん)といって、木の枝のように細くつながった金の塊であったといいます。
―おしまい―

このお話は、福光地域公立保育園が制作した紙芝居より、一部加筆・修正の上、掲載しました。


「これはすごいぞ。金のわさびだ」


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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