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となみ野・むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2017年12月1日
第9回 まいこん淵に流れ着かれた御神体(前篇)

 その昔、小矢部川は庄川と合流していた。そのため、川下の小矢部川の辺りは大水の度にいつも水浸しになった。
 中でも荒川地区の石王丸の辺りは坂又(さかまた)川や中川も合流して、小矢部川に流れ込んでいた。それで大雨になると池や沼ができ、川の合流する所は青くよどんだ淵になっていた。地元の人は、その淵をまいこん淵と呼んでいた。
 ある晩のことであった。この村の村長さんは朝から降っている雨が一向に止まないので、なかなか寝付かれないまま朝方近くになってしまった。その時、辺りが急に明るくなり、どこからともなく、「私は、水の神様である。今、まいこん淵に流れ着いた。水をたくさん飲んで溺れそうじゃ。早く助けに来て下され」と、厳かな声(※1)が響いた。
 村長さんはビックリして跳ね起きた。隣に寝ていた奥さんを起こして言った。
 「わしは、今、神様の声を聞いた。まいこん淵に流れ着いたと言っておられる。わし、ちょっと見に行ってくる」奥さんは、「こんな、ひどい雨ん中、行くがけ」と言うたが、村長さんは、「いや、今なけんなあかん。神様、溺れてしもわっしゃる。早よう、行かんなん」と言うた。「そんなら、気、付けて行かっしゃいね」と、ばんどり(※2)を渡した。

−つづく−

※1厳かな声・・・いかめしくおもおもしい声
※2ばんどり・・・わら、すげなどを編んで作った雨具


イラスト 作・ひまわりグループ


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
3月までは、平成15年度に小矢部市郷土愛護セミナー「ひまわりグループ」さんが手掛けられた、『ふるさとの民話〜小矢部〜』よりご紹介いたしました。
4月からは南砺市・砺波市のお話を随時ご紹介いたします。
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