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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2015年5月16日
第85回 子撫川のいわれ(2/2話)

 子どもが三才になったある日、あの時の修行僧が再び娘の家を訪ねてきました。
「失礼ですが、あなた様は三年前、ここでお茶を一服飲まれませんでしたか」
と娘が聞くと、
「はい、そうですが、なんでしょうか」と僧が答えました。
娘は一目、その僧に子どもを見せようと連れてきました。
「もしかしてその子は私の子どもではありませんか」
修行僧はこう言うなり、子どもを抱きかかえました。そして優しく頭の先から爪先まで撫で回しました。
 すると不思議なことに、子どもはまるで泡が消えるかのように、娘の涙と共に家の前の川に流れ出し、たちまち姿を消してしまいました。
 このような話が広がり、それから誰が言うともなく、この川を「子を撫でる川」と書いて、『子撫川』と呼ぶようになりました。

―おしまい―

このお話は、小矢部市郷土愛護セミナー「ひまわりグループ」が手掛けた『ふるさとの民話〜小矢部〜』より、一部加筆・修正の上、掲載しました。


まるで泡が消えるかのように・・・。


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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