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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2015年6月16日
第86回 婆々坂と大蛇(2/2話)

 お盆の日、一人の村人は木の根を採りに出かけました。沢山採って、喜んで帰ろうとした時、ふと沼の方を見ると、大蛇が沼の底から這い上ってきました。鱗は五色に輝き、目と鼻をむき出して、村人を『ギョロリ』と睨みつけました。
 村人がびっくりして目をつぶると、一瞬の間に大蛇の姿は消え失せ、近くの草が押し倒されていました。
 その時、山の上から「南無阿弥陀仏・・・」と声高らかなお経が聞こえたかと思うと、おばあさんがものすごい勢いで坂を駆け下りてきました。そして、何かにつまずいて道端の笹原へ転がり込み、うつ伏せになったまま起き上がってきません。おばあさんの手や足、首筋は蛇の鱗で包まれていました。
 村人がおそるおそるおばあさんに近付いてみると、体から御光(ごこう)がさしているではありませんか。
「おばあさんは大蛇様だったのか」
 手を合わせて一心にお経を唱えると、おばあさんはみるみるうちに黒石に変わってしまいました。
「どうかこれからも村のみんなを見守ってください」
 今でもその黒石は不思議な石として残っており、お盆の夜には御光がさすと言われています。それからこの坂を「婆々坂」というようになりました。
―おしまい―

このお話は、福光地域公立保育園が制作した紙芝居より、一部加筆・修正の上、掲載しました。


おばあさんはみるみるうちに黒石に変わってしまいました。


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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