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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2015年7月1日
第87回 三条の池の雨ごい(1/2話)

 旧庄川町の東に饅頭の形をした三条山という山があります。その昔、三条山には千代ヶ様城(ちよがためしじょう)という山城があり、守護・桃井氏の一族が長い間守っていましたが、戦国時代の終わり頃に焼け落ちてしまいました。この城には、三条の池と呼ばれる池があって、侍たちの大切な飲み水となっていました。
 今から約百五十年前、全く雨が降らない暑い日が続きました。広谷川には水が一滴もなくなってしまい、稲は今にも枯れそうになっていました。
 村では水争いまで起こり、毎晩村人が集まって相談しました。
「三条の池は、城端の縄ヶ池とつながっていると聞いている。縄ヶ池には主が住んでいるというから、三条の池に雨乞いをしてみては」
「縄ヶ池の主ちゃ、なんや」
「むかし、俵の藤太(とうた)(藤原(ふじわらの)秀郷(ひでさと))という豪傑が、琵琶湖の主からお礼にもらった龍の子を城端の蓑谷に放した。すると谷間に縄ヶ池ができ、村人はこの水で田んぼを開いたと聞いとる」
「なんでも雨乞いをすると、てきめんに効き目があるそうじゃ。龍の子はきれいなお女郎様らしい」
「ぜひとも会うてみたいもんじゃ」
 次の日、村人たちは三条の池のほとりに祭壇をもうけ、しめ縄を張り巡らしました。神主様は池の水で身体を清め、太鼓を叩いて祝詞をあげました。そして村人たちは一心に祈りました。
「降らせたまえ、池の主、龍王様」
−つづく−


毎晩、村人が集まって相談しました。


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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