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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2015年9月16日
第89回 立野脇の女石と男石(2/2話)

 村人は小矢部川の水で体をきれいに洗い、裃(かみしも)を着て女の形をした石を見つけに川へ入りました。
「おお、この石が女石に違いない。みんなで力を合わせて運んで行こう」
 村人たちは、村まで女石を運び、その女石に毎日お参りしました。すると次々と女の子が生まれたのです。
 村人たちは「めでたいことじゃ」と喜びました。
 ある日の夕方、おじいさんがお宮さんの近くで畑をしていると、どこからか女の悲しそうな泣き声が聞こえてきました。声のする方へ行ってみると、なんと女の石神様が泣いておられるのです。
「暗いお宮さんに私一人でいるのは寂しいのです。男の神様も連れてきて欲しいのです」
「こりゃかわいそうなことをした。男の神様がいなくて寂しいのは当たり前じゃ」
 次の日、早速村人たちは小矢部川へ行って、男の神様の石を探しました。すると女の神様の石があったすぐ近くに、男の形をした男石があったのです。
「これじゃ。この石を連れて行こう。きっと女の石神様も喜ばれることじゃろう」
 村人たちは男石を運び、女の石神様の隣に並べて置きました。そして真ん中に、「仲人」と言う石神様も置きました。すると、泣き声はぴたりと消えてしまいました。
 それからというもの、この村には沢山の子どもが生まれ、とても幸せな村になりました。
 今でも、子どもの欲しい人がこのお宮さんにお参りに来られるそうです。
―おしまい―


「みんなで力を合わせて運んで行こう」


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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