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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2015年11月1日
第91回 温泉のおこり(1/2話)

 福光から金沢へ行く途中の山の中に湯谷(ゆだに)という村があります。その村では、田んぼや畑の仕事をしたり、山の木を切ったりして、元気に仲良く暮らしていました。
ところが少し経つと、どうしたことか病気の人がどんどん増えていきました。
「わしは手が痛くて畑ができない」
「私は、頭が痛くて起きられない」
 そこへ泰澄(たいちょう)という偉いお坊さんが通られました。
「この村にはなんと病気の人がたくさんいるのだろう。なんとかしてみんなを助けてやらねば・・・」
 お坊さんは地面の上に座って、「南無阿弥陀仏」と一生懸命に昼も夜もお祈りを続けました。
 すると不思議なことに、お坊さんの座っておられる周りから「ボコ、ボコ、ピュー」と音を立てて、お湯が噴き出してきました。
「あっ、お湯じゃ。わしらの村に温泉が出たぞ、有難いことじゃ」
 村人たちはみんなで大喜びしました。それからお坊さんは、村の人から不思議な力を持った木をもらい、何日も掛けて立派な一尺一寸の仏様を彫られたのです。
「仏様、どうか村人を守ってください」
 お坊さんは、その仏様をお湯の出た所に置かれました。
「さあ、このお湯に入るがよい。仏様のお守りくださる有難いお湯じゃ。きっと病気も治るだろう」
 お年寄りも、男も女も子どももみんなが、このお湯に入りに来ました。
「いい湯じゃのう。痛い所がすうっと治っていくようじゃ」
「温まるのう、疲れが取れたわい。有難い、有難い・・・」
 こうしてこの温泉は、村の人たちでいっぱいになりました。
−つづく−


「どうか村人を守ってください」


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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