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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2015年12月1日
第92回 おさるの顔はなぜ赤い(1/2話)

 むかしむかしのお話です。
 越中と加賀の境にある峠に、三匹のいたずら好きな猿が住んでいました。
「キャッ、キャッ、キャッ。何かおもしろいことないかな」
「木の上で昼寝でもするか」
「そんなもん面白ない。みんなで何かいたずらでもしようや」
猿たちが話をしていると、荷を背負った男がやってきました。
「あーあ、くたびれた。この峠でちょっと昼寝でもしよう」
男はそう言って、そこに寝転んでしまいました。すると、様子を伺っていた三匹のいたずら好きな猿が出てきて、男のむしろ(※)を盗っていってしまいました。
 今度は栗を背負った男がやってきました。疲れていた男は、その場で寝転んでしまいました。するとまた三匹の猿が出てきて、こっそりと籠の中にあった栗を食べてしまいました。
 さらには杵と臼を積んだ荷車を曳いた男がやってきましたが、やっぱりくたびれて寝転んでしまいました。そしてまたもや三匹の猿が出てきて、荷車ごと盗っていってしまいました。
 どれだけか時が経ち、三人の男たちが気持ちの良い眠りから覚めました。そして三人は自分たちの持ち物がないことに気付きました。
−つづく−

※むしろ・・・わらや竹で編んだ敷物


「この峠でちょっと昼寝でもしよう」


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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