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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2018年1月16日
第10回 きつねの嫁入り(後篇)

 小半時(こはんどき ※2 )ほど経った頃、雨は小降りになり、雲の合間からはお日さまが顔を覗かせ辺りは少しずつ明るさを取り戻しました。
「はて、さっきの二人はどうなったかな。この雨で着物もさぞかし濡れたろうな」と、向こう岸の土手を眺めました。しかし、まだ向こう岸は雨が強いようでした。ところが不思議なことに提灯の灯かりのような物が、ぼんやりと浮かんで見えました。そのうちに灯かりがどんどん増えてゆき、川下の方から川上へと列を成して進んで行くではありませんか。
 村人は、夢を見ているのではなかろうかと、ほっぺたをつねりました。「痛い!これは夢じゃないぞ」
 そのうちに雨が上がり、提灯行列はすっかり見えなくなっていました。
 「あれはきっと、狐の嫁入りやったがやなあー」と村人は思いました。
 今でも、お日様が出ているのに雨が降っていると「今日は狐の嫁入りや」と言いますね。

−おしまい−

※2小半時(こはんどき)・・・三十分位


イラスト 作・ひまわりグループ


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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