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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2016年4月1日
第96回 弘法さまの清水(1/2話)

 昔むかし、興法寺(こうぼうじ)の里に、各地を巡っていらっしゃる、一人のお坊様が来られました。
 この日は熱い日差しが照り付け、滝のように汗が流れる夏の日でした。
「喉が渇いたなあ。水を一杯飲ませてくださる家はないものだろうか」
 お坊様は汗を拭いながらつぶやきました。ふと見上げると、遥か彼方に家らしきもの
が見えました。
「おー。あそこの家で水を一杯もらおう」 
 お坊様はよろけながら、その家を目指して歩きました。
「ごめんください」
「なんか用かね」
 一人の年老いたおばあさんが出てきました。
「旅の者ですが、喉が渇いて、もう一歩も歩けません。どうか水を一杯いただけないものでしょうか」
「それは気の毒に。今すぐ水をおばあさんはそう言って、急いで出て行きました。お坊様は手を合わせながら深々と頭を下げられました。しかしおばあさんは、四半時(※)経っても戻って来ません。
 やがておばあさんは汗だくになって帰ってきました。
−つづく−

※四半時・・・約三十分


大変待たせたね。さあ、お飲みくだざれ。


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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