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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2016年5月1日
第97回 ししとびのかっぱ(1/2話)

 小矢部川の川上には大きな岩がゴロゴロあり、その岩を飛び越えると向こう岸へ渡ることができる場所がありました。鹿でも兎でも、その岩をポンポンと飛び越えていくことから、「ししとび」とよばれていました。
 そのししとびの川の中に、いたずら好きなかっぱ・へー吉が住んでいました。へー吉は、水浴びに来た子どもの足を引っ張って驚かせたり、畑のキュウリやスイカを盗ん
だりして、村人を困らせていました。
 ある春先の夕暮れ時、田んぼ仕事を終えた甚平が、馬に優しく話しかけながらししとびにやってきました。
「今日はよく働いてくれたなぁ。洗ってやるぞ」
 馬はとても気持ち良さそうに、甚平に洗ってもらっていました。それを見つけたへー吉は、早速いたずらをしてやろうと川底に隠れて待っていました。
 そんなこととは知らない甚平が馬を丁寧に洗っていると、突然馬が暴れ出し、いくらなだめようとしてもなかなか鎮まりません。
 尻の方からどんどん水の中に引き込まれていく馬を助けようとしていると、二つの大きな目がギラギラ光ったかっぱが現われました。甚平はびっくりして逃げ帰ってしまいました。
 へー吉は、なおも馬の尻尾をつかんで、川の中へ引きずり込もうとしていました。馬は力いっぱい暴れ回り、だんだん息が苦しくなってきました。必死に力を振り絞り、ようやく這い上がると、後ろも見ずに馬小屋の方へ一目散に駆け出していきました。
−つづく−


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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