トップ > よみもの > となみ野 むかしがたり

となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2016年6月1日
第98回 太田の金比羅さん(1/2話)

 太田の金比羅さんは、水の神様として四国から招かれました。その神様を迎えに行く時、二人が乗った船が途中で動かなくなってしまいました。
 船頭さんはこう言いました。
「多分、海の神様の怒りに触れて動かなくなったのでしょう。誰か一人をその神様に差し上げれば、怒りも鎮まるでしょう。誰か海に入ってもらいたいのだが・・・」
 そして太田から行ったうちの一人がその役になってしまいました。しばらく困っていましたが、やがて、
「わかりました。それなら私が海に入りましょう。でも死ぬ前に、ひとつお経を上げさせてください」
 そう言ってお経を唱え始めました。そのお経は延々数時間も掛かって、ようやくお経を読み終わった頃に、なんと船が動き始めました。彼は満ち潮と引き潮の境目で船が動かなくことを知っていて、お経を上げて時間を稼いだのです。

 さて、金比羅さんには二本の旗があります。一本は「伊勢旗」と言い、伊勢の大神宮の旗、もう一本は讃岐(今の香川県)の金比羅さんの旗です。この二本の旗の絵は、安藤広重の作という言い伝えがありますが、広重の名前が入っていないので本当かどうかはっきりしません。でも広重ではないとしても、広重の門下生が描いたものかもしれません。
−つづく−


現在の金比羅社


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
e-mail info@e-tonamino.com
URL

Copyright (c) Tonami Satellite Television Network All rights reserved.