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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2018年2月1日
第11回 子撫川のいわれ(前篇)

 昔、子撫(こなで)川の上流に一軒の家がありました。その家にはたいへん気立ての良い(※1 )娘が住んでいました。
 そこへ加賀・能登へ旅立とうとする若くて男前の一人の修行僧(※2 )が「すみませんが、お茶を一服いただけませんでしょうか」と立ち寄りました。
 出てきた若い娘は、ほほを赤く染めながら「はい、ただいま」と言ってお茶を持ってきました。その修行僧は、お茶を一口飲むと「ありがとう」と言って去っていきました。
 ところがこの娘は、この修行僧にすっかり心を奪われてしまい、僧の残したお茶をこっそりと飲んでしまいました。すると、あら不思議、娘は身ごもった(※3 )のでした。訳の知らない親たちは心配で心配でたまりませんでした。「その子の父親はだれながけ。私たちに教えておくれ。決して悪いようにしないから」と、何べんも問いただしましたが、娘は決して答えようとはしませんでした。

−つづく−

※1気立ての良い・・・性質のやさしい
※2修行僧・・・学問・技芸をみがくため、諸国をめぐる坊さん
※3身ごもった・・・おなかに赤ちゃんができた


イラスト 作・ひまわりグループ


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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