トップ > よみもの > となみ野 むかしがたり

となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2016年11月1日
第101回 ねずみ松のふしぎ(1/2話)

 これは小矢部市の宮島に伝わるお話です。
 宮島の久利須村に、村人たちが心の拠り所としているお宮さんがありました。このお
宮さんの前あたりから道は急な登りになり、やがて大人でも息が切れるほどの曲がりく
ねった坂道になります。この坂を登り切ると、加賀・越中の平野が一望できる小高い丘に出ます。地元の人は、そこを「いも嶺」と呼んでいます。
 その昔、そこには沢山の赤松が、風雨にさらされながらも力強く立っていました。そ
の中に、とりわけ目立って大きい松の木がありました。近付いてよく見てみると、その
根はまるでねずみの手足のように広がっているので、村人たちは「ねずみ松」と呼んでいました。
 ある日のこと、村に住む弥作じいさんが、いつものように山で炭焼きの仕事をして
いました。
「今日もよう働いたな。さあ、遅くならないうちに帰ろ」
 弥作はできあがった炭を俵に詰めて、それを担いで山から下りてきました。
 ちょうど「いも嶺」にさしかかった時です。あたりは夕闇のせいで、少し薄暗くなっていました。
「おや、前の方に誰か歩いとるぞ。村の庄次郎じいさんじゃないかなあ」
−つづく−


「おーい、庄太郎じいさん」


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
e-mail info@e-tonamino.com
URL

Copyright (c) Tonami Satellite Television Network All rights reserved.