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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2016年11月16日
第101回 ねずみ松のふしぎ(2/2話)

 弥作は、「おーい、庄次郎じいさん」と大きな声で呼びました。
 ところがそのじいさんは、後ろをちらっと振り返りましたが、一言もしゃべらずに足を速めました。
「おかしいなー。たしかに庄次郎じいさんや」
 弥作はもう一度、「庄次郎じいさん」と叫びながら後を追いかけました。
 しかし追いつくどころか、じいさんらしき姿は大きな松の木あたりで、霧のようなも
のになって消えてしまいました。
「あれ、おらんようになった。おかしいな。足跡がこの松の根元で消えとる」
 弥作は狐につままれたような気持ちになりました。慌てて村に帰った弥作は、村人にこの松の話をしました。
「ねずみが、人間に化けたに違いない」
 話を聞いた人たちはそれ以後、ねずみ松のある「いも嶺」には夜遅く通らないようになりました。
 現在はその大きな松の木はありません。しかしねずみ松のような太い根が少し残って
おり、面影を留めていると伝えられています。
―おしまい―

●このお話は、小矢部市郷土愛護セミナー「ひまわりグループ」が手掛けた『ふるさとの民話〜小矢部〜』より、一部加筆・修正の上、掲載しました。


村に帰った弥作は、村人にこの松の話をしました。


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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