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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2017年1月16日
第103回.おらが村蟹谷(2/2話)

 知恵がある八講田の和尚さんも、村の人たちと一緒に山奥にある溜め池に向かいました。
 するとやはり化け物が出てきて、同じように叫びました。
「わしの正体は何じゃ。答えてみろ」
「お前の正体は蟹じゃ。蟹の化け物であろう」
 和尚さんはすぐにそう言うと数珠で化け物を殴りつけました。
「エーイ、エイ、カッーカッー」
 化け物は「ギャー」と言って、悶え苦しみながら池に沈んでいきました。
 翌朝、近くを流れる五郎丸川に、橋のようにまたがった蟹の化け物の死骸がありました。
 こういうわけで、この村の化け物は知恵のある和尚さんによって見事に退治され、平和な村になりました。
 以来、この村のことを「蟹の谷」と書いて「蟹谷」と言い、五郎丸川に架かっている橋を「蟹懸橋」と言うようになりました。 また、大人八人が伏せたほどの大きな蟹だったことから、奥の山のことを「八伏」と言うようになり、現在もそう呼ばれています。
―おしまい―

●このお話は、小矢部市郷土愛護セミナー「ひまわりグループ」が手掛けた
『ふるさとの民話〜小矢部〜』より、一部加筆・修正の上、掲載しました。


和尚さんは数珠で化け物を殴りつけました


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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