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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2017年2月1日
第104回.大杉と天狗(1/2話)

 小矢部市の薮波地区に伝わるお話です。
 むかしむかし、ある村に何代も続いたという、それはそれは古い家がありました。この家には大きな杉の木が何本もあって、昼間でも暗かったことから、村人たちは「天狗様が住んでいらっしゃる木ではないか」と恐れていました。
「夜遅ーなったら、天狗様に連れて行かれるぞ」
「悪いことをしたら、天狗様が連れにござらっしゃるぞ」
 村人たちは、子どもたちを叱る時の戒めにしていました。
 ある日、不思議なことが起きました。その古い家のすぐ後ろに、五歳の男の子と八歳の女の子がいる家がありました。二人は仲がよく、いつも一緒に遊んでいました。夕方になり、遊び疲れた二人は家に帰って来ましたが、お父さんもお母さんも田んぼから帰ってきません。二人はお腹がすいたので、何か食べる物がないかと戸棚を探しました。
「あ、ここに餅がある。腹へったから、これを食べようよ」
「あ、甘酒もあるよ。これも飲んでみようか」
 二人は餅を全部食べてしまいました。そしていつの間にか寝てしまいました。
 あたりが暗くなり、田んぼから帰って来たお父さんとお母さんが、家で二人の名前を呼びましたが、返事はありません。灯りをつけてみたところ、女の子だけしかしませんでした。
「あれ、ぼん(※1)おらんぜ。どうしたがや」
−つづく−

※1ぼん・・・男の子


二人は仲がよく、いつも一緒に遊んでいました。


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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