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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2017年3月1日
第105回.月夜のかわうそ(1/2話)

 これは砺波市の栴檀山地区に伝わるおはなしです。
 ある晩のことです。五平とっつぁんが川ぶちの道をトコトコ
歩いていると、突然、怪しい塊がすごいスピードで目の前を横切ったかと思うと、川
の中へドボンと飛び込みました。
あまりに突然の出来事に、五平は目を見開いたまま、腰を抜かしてしまいました。
 夜が明けるといつもの村の様子で、特に変わった感じはありませんでした。
 しかし五平は、
「金の塊が、川へ向かって一目散に転がっていった」
と、夕べ恐ろしい目に遭ったことをみんなに話しました。
 村人は次々に言いました。
「おらも長生きしとるが、そんなもん見たことないぞ」
「子どもらは夕方から外へ出たらあかんぞ」
 村は大騒ぎとなり、ついに村長さんは常会を開くことにしました。
「さて皆の衆、五平が見たもんは何だかわからんが、大事件じゃ。誰か、勇気ある者が、夜の見張りをしたらいいと思うがのう」
 すると身体の大きな善太が手を挙げて、こう言いました。
「俺がやってみる」
 次の夜、善太は身支度を整えて山へ登っていきました。きらきら輝く星をいただいて、木の陰にかくれましたが何も起こらず、ただきれいな三日月が野山を照らすばかりでした。
 それから何日か経って、満月のある夜のことです。辺りが急に昼のように明るくなりました。その時です。善太の目の前を、金色の塊が駆け抜けたのです。
「待て、待てーぇ」
−つづく−


「五平が見たもんは何だかわからんが、大事件じゃ」


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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