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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2010年7月1日
第○回 ねつおくりまつり (1/3話)

「ねつおくるばーい、ねつおくるばーい、ねつおくるばーい!!ねつおくるばーい。」
 これは毎年暑い夏の“ねつおくり”の日に田んぼのねつ払いをしている子どもたちの声です。この頃、町では七夕祭りや夜店もあって、賑やかな祭りの日となっています。どうしてこんなねつおくり祭りが始まったのでしょうか。
 今から三百年ほど前(元禄元年の頃)のことです。
 「この村は、でかいと米がとれてよ良いところじゃ」「今年も良い米ができたらいいのー」「良い米作って、加賀の殿様にも食べていただかんなん」
 お百姓さんたちは、一生懸命田んぼを耕して、稲の苗を植えたのです。
 ところがある日のこと、たいへんなことがおこったのです。
「おらの田んぼをみてくれ!稲があかーくなってか枯れてきたがじゃ。稲の葉っぱをみてくれっしゃい。赤い穴があいとるがじゃー」
 村人があわててみんなに知らせに来たのです。
「おらのうちの田んぼもじゃ」「おらもじゃ」「おらのうちもじゃ、まるでおらの田んぼは火をつけて焼いたような色をしとる」「よわったな、こりゃ虫が稲を食べていってしもたがかな?」「このまんまにしておきゃ、米がとれんようになるぞ」「ご飯が食べれんようになってしもうわい」「よわった、よわった、ほんまによわった」「村長様、村じゅうの田んぼが枯れていくがです」「助けて下され、どうすりゃ良いですかいね」「そりゃ困ったことになったな、きっと稲の病気(※1)にかかったがじゃろ」

―つづく―

※1稲の病気・・・イモチ病・稲熱病のこと。


「まるでおらの田んぼは火をつけて焼いたような色をしとる。困ったのぉ」


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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