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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2010年7月11日
第○回 ねつおくりまつり (2/3話)

「長いこと雨が降りつづいたからですかいね」「悪魔が稲にのりうつったがですかいね」「よわったな、おそろしいことになったもんじゃ。どうすりゃ良いもんじゃろうか」「このままじゃ荒木の村人は生きてはいけぬ」「どうじゃ、村の衆。殿様にたずねてくることにするか」
 村長さんは、加賀の殿様の所へ相談に行くことにしたのです。
「殿様、殿様、大変困ったことになりました。私どもの田んぼが枯れていきます。殿様に、うまい米を食べてもらえなくなったのでございます」「それは困ったのう…。そうじゃ、田んぼの熱を払う“ねつおくり”をしてはどうじゃ。お前たちの荒木(※1)の村は、毎年たくさんの米がとれる所じゃからなあ」「田を守ってくださる神様をかついで、田をまわるがよい。きっと神様が田んぼの病気をお追い払ってくださるであろう」
村長 「ははー。なるほど、ありがたいことでございます。神様に守っていただければ、荒木の田んぼも安心でございます。さっそく荒木に帰って田んぼの熱払いをいたします」
 こうして村に帰った村長さんは、殿様にきいたとおりに、村人と一緒に、このようなおじいさん、おばあさんの形をした神輿(※2)をわらで作ったのです。
村長 「おーい村の衆。田んぼの熱払いじゃ」
村人 「太鼓を打つのじゃ」「ドンドン ドンドン ドーン」
 大人は力一杯太鼓をたたいたのです。

−つづく−

※1荒木・・・現在の南砺市荒木。
※2神輿・・・神霊の乗り物とされ、祭礼のときなどに担ぐ。


「殿様、殿様、大変困ったことになりました」


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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