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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2010年7月21日
第○回 ねつおくりまつり (3/3話)

村人 「太鼓を打つのじゃ」「ドンドン ドンドン ドーン」
 大人は力一杯太鼓をたたいたのです。
村人 「子どもも、熱払いをしてくれ!」「短冊に、良い米ができるように書いて、笹竹につけるのじゃ」「一つ一つの田んぼの稲の上を払って歩こう」「ねつおくるばーい。ねつおくるばーい」
子ども 「ねつおくるばーい。ねつおくるばーい」
 子どもたちも、力一杯大きい声を出して、夕方になるまで稲の上を払って歩いたのです。
 そして夕方になりました。
村人 「おじいさん、おばあさん、どうか遠い所へ田んぼの悪魔を運んでいってくだされ」「どうか、村の田んぼを守ってくだされや」「10月には、たくさんのお米がとれるように守ってくだされ」
 村の人たちは一生懸命お祈りしたあと、小矢部川へおじいさん、おばあさんの乗った舟で笹竹を流したのです。
村長 「村の衆、本当に熱払い、ご苦労じゃった。みんなが熱送りをしてくれたおかげで、今年もたくさんの米が取れるぞ」「さあ、祝いの酒を飲んでくれ。御馳走も食べてくれ」
村人 「荒木の田んぼも、きっと生きかえってくるだろう。神様が守ってくださるにちがいない」「熱送りのおかげじゃ」「ありがたい、ありがたい。毎年、熱送りをやろうじゃないか」「そうじゃ、そうじゃ。毎年やろう」
 このようにして始まったのが、熱送りなのです。荒木の村々は、昔と同じような「ねつおくり」が今でも続いているのです。

―おしまい―


「ねつおくるばーい。ねつおくるばーい」


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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