トップ > よみもの > となみ野 むかしがたり

となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2018年10月9日
第19回 雄神のごおけつ力士(2/4話)

「東のかいしょなし(※3)。誰か西を負かすもんおらんがか」という声があちこちからおこりました。今川も、東方が負けていくのを見て、とても悔しがりました。
 そんな今川に、隣にいた仲間が、「おい、どうじゃ、兄貴、なんとかせんにゃ、これでは東方の負けや」、「お前なら勝てるやろ、やってみ、やってみ」、「しっかりやれ今川、負けると雄神力士の名が泣くぞ」、今川も悔しくて仕方なかったので、度胸を決めて土俵に上がりました。
 行司は軍配(※4)を引きました。今川は慌てずに西方の相撲取りを組み伏せ、すぐに西土俵に放り出しました。二人目の相手も、そして三人目も、とうとう残り七人の西方の力士全員を打ち負かしてしまいました。
 この今川の力の強いのを見た見物の人たちは、大喜びです。神社の鳥居が倒れるか、と思うほどの大きな声で喜び合いました。
 こうして、越中は加賀に勝ちました。今川は仲間の人と手に持ちきれないほどの沢山の賞品をもらい、意気揚々と帰ってきました。雄神神社にお参りして、勝ち相撲の報告をしました。
 今川の強いうわさは、越中、加賀、能登の三国に広まりました。しかし、今川も数年後には相撲取りを引退し、若者たちに相撲を教えることになりました。
―つづく―

※3 かいしょなし…意気地のないこと
※4 軍配…相撲の行司が、両力士の立ち合いや勝負の判定を指示するのに使う、うちわ形の道具


「雄神神社にお参りしよう」


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
e-mail info@e-tonamino.com
URL

Copyright (c) Tonami Satellite Television Network All rights reserved.