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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2018年11月16日
第20回 がごづか(2/2話)

 家来の止める間もなく、短刀で自害してしまわれたそうな。
 家来は奥方を埋め、傍にあった石を上においたがやと。在所の人は姫塚と言っていたそうな。
「何としても若様をお守りしなければ」
 家来は必死の思いで、無事縁者の所へ着くことができたがやと。
 やがて赤子の埋められた地中から、風の強い日、冷たい雨や雪の降る日には、「ヒィー、ヒィー」と泣く声が聞こえるようになったそうな。
 在所の人たちは、
「かわいそうに、さみしいがやちゃ。何とかならんもんかなあ」
 みんなで相談して、土盛り石で囲み、その上に大小二個の石を並べ、
「さあ、母ちゃんも一緒だよ。成仏してくれ」
 お坊さんを呼んでみんなでお参りし、近所の人が花を供えるようになったがやと。
 それからは赤ん坊の泣き声も聞こえなくなったそうな。
 それにしてもかわいそうな話やちゃ。
 ナンマンダブ、ナンマンダブ。
−おしまい−


「母ちゃんも一緒だよ。成仏してくれ」


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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