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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2019年6月1日
第27回 おじぞうさまのなみだ

 これは砺波市東中に伝わるお話です。

 仁兵衛さんはたいそう信心深い人でした。ごせんぞさまにかんしゃして、おじぞうさまをつくりたいと思っていました。
 ようやくお役人のおゆるしが出て、じぞう堂を建てることができました。村じゅうでお祝いをしました。

 ある年、雨がふらず、お米がほとんどとれませんでした。食べるものがだんだんなくなり、なんとわらまで煮て食べるありさまでした。ついに、死んでいく人も出てきました。
 村人は、しかたなく、続いていたじぞう祭りを取り止めにしました。
 その後も病気や火事や大水などの災難が続きました。村人は困ってしまいました。

「これは、きっとじぞう祭りを取り止めたからだ。」
「苦しくてもなんとかお祭りをしよう。」
村人みんなで力を合わせ、なんとかじぞう祭りをとりおこないました。
じぞう堂のとびらを開けると、おどろくことに、「おー」と喜びの大声がひびき、じぞうさまの目からなみだがこぼれ、床をぬらしましたとさ。

−おしまい−


「おー」と喜びの大声がひびき…。


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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