トップ > よみもの > となみ野 むかしがたり

となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2019年11月1日
第33回 力もちの磯五郎

これは砺波市中野に伝わるお話です。

昔、加賀の殿様が、庄川の上流から流れてくる材木を運ぶために、人夫(※1)をくり出すことになりました。
ところが、あまりにも木が大きいため、なかなか運ぶことができませんでした。そこで殿様がきもいり(※2)に相談したところ、「磯五郎にやらせたらどうでしょう」と言われました。
磯五郎は十八才の若者で、ふつうだと四、五人でやっと運ぶような大きな材木を、一人で軽々と運ぶほどの力持ちでした。
磯五郎のおかげで、材木を全て運び終えることができました。

ある時、磯五郎が、三才の子どもを背負って、紋兵え島(もえべえじま)へ水の見まわりに出かけた時のことです。
しげみを歩いていると、いきなり怪しい者が彼の肩をつかみました。
磯五郎はその手をつかむと、前へ投げつけ、何事もなかったかのように、その場を後にしました。

翌朝、「紋兵え島で、おおかみが殺されている」と、村人たちが騒ぎました。磯五郎が投げたのは、おおかみだったのです。
力持ちだった磯五郎のお墓は、今も中野の地に残っています。
―おしまい―

※1 人夫・・・作業員
※2 きもいり・・・村の役人


絵・『庄南むかしばなし』より


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
e-mail info@e-tonamino.com
URL

Copyright (c) Tonami Satellite Television Network All rights reserved.