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となみ野 むかしがたり
 

私はとなみ野に伝わる民話や伝説を語り継いでいます。 砺波市・南砺市・小矢部市には様々なお話がありますが、 そんなお話の中から、とっておきのものをお話しします。 またみなさんの知っているお話がありましたら、ぜひお寄せくださいね。 それでは、はじまり、はじまり…。

掲載日:2019年11月16日
第36回 杉の峠のおたすけじぞう(2/2話)

 北のおじいさんは、声のするほうへ急ぎました。
「たしか、この辺じゃなかろうか?」
 でも辺りは一面の雪野原で、なにも見当たりません。そしてまた、「おーい、おーい」という声が聞こえてきました。
「むむっ。あっちか?」声のほうに目をやると、お地蔵様の赤いまえだれが落ちているではありませんか。そして、そばに倒れた旅人の姿をみつけました。
「あんにゃ(※1)、どもせんかい?しっかりせい!」
 すると旅人は息をふき返し、なんとか無事に助かったのです。
 このように、どこからともなく聞こえる呼び声で、人が助かったということが何度もありました。村の人たちは、「きっとお地蔵様が助けを呼んでくれたがや」とうわさをして、お地蔵様に感謝しました。
 明治三十三年に、村の人たちはお堂を建てて、お地蔵様をお祀りするようになりました。
 上梨の人たちは今でもお花を供えたり、まえだれを着せてあげたりして、大切にしておられるそうです。
―おしまい―

※1あんにゃ・・・あなた

このお話は南砺市立平図書館が制作した紙芝居より、一部加筆・修正の上、掲載しました。


「あんにゃ、どもせんかい?しっかりせい!」


今日はどんなお話をしようかね…。
となみ野おばあちゃん

となみ野おばあちゃん、 となみ野、
私たちの故郷・となみ野には古くから多くの民話や伝説があり、先祖代々語り継がれてきました。
TSTとなみでは、そうした地域の良さを伝えるお話を紹介します。
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